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講演の機会をいただきました。「重症喘息の治療」
夏バテしてませんか?
どうしても冷たいものが欲しくなると思いますが、
夏バテの原因になりますのでほどほどに。
4日に講演の機会をいただきました。
重症喘息の治療についてです。
多くの喘息患者さんは吸入のお薬で
十分治療が可能です。
ただ一部の重症患者さんは吸入治療だけでは
十分な治療効果が得られません。
何種類かの吸入や内服のお薬で治療しながらも
しばしば喘息が悪化する場合、
飲み薬のステロイドを頻回に、あるいは継続的に
使わざるを得ません。
皆さんもご存知のように、飲み薬のステロイドを
長期に服用すると副作用が出ることがあります。
なるべく飲み薬のステロイドを長期に内服することは
避けたいところです。
近年喘息の原因となる物質をブロックする
薬が登場してきました。
「生物学的製剤」といいます。
現在日本では4つの生物学的製剤が使用できます。
ゾレア・ヌーカラ・ファセンラ・デュピクセントです。
いずれも注射剤です。
アレルギー症状を起こす主役である
好酸球という白血球の数やIgEという物質の量をもとに
これらのお薬を使い分けます。
効果は非常に高く、ヌーカラ・ファセンラ・デュピクセント
に関しては80%ほどの患者さんで効果が期待できます。
当院でもこれまで10名以上の方が生物学的製剤の
治療を受けられていますが、長い間ステロイドの
飲み薬を手放せなかった方が、この治療を受けられて
ステロイドとさよならできた方もいらっしゃいます。
ただネックは価格です。
ヌーカラ・ファセンラ・デュピクセント
これら3つのお薬は1か月で約15万円ほどになります。
もちろん保険診療の適応ですが、それでも
3割負担の場合、お薬代だけで1月5万円前後にもなってしまいます。
ゾレアは体重とIgEの値で投与量が変わってきますが、
発売されて10年以上経つこともあり、
かなり価格が下がってきました。
そのため条件によっては1か月あたりの注射代が9000円ほどです。
それでも安くはありませんが、、、
もう少し生物学的製剤の価格が下がり、
これらのお薬が必要となる
患者さんが利用しやすくなれば
嬉しいのですが。